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井口 博美Inokuchi Hiromi
役職教授
専門分野デザインマネジメント、デザインサーベイ、マーケティング
役職教授
専門分野デザインマネジメント、デザインサーベイ、マーケティング
経歴
1956 年生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。公益財団法人日本デザイン振興会を経て、91年にデザイン&マーケティングのコンサル会社である株式会社イードに移籍し、企業の各種調査研究プロジェクトや商品・デザイン戦略の立案等に従事。「戦略的デザインマネジメント」が主たる研究テーマ。
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2012年4月にオープンした「武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ」(全景)


「未来的デザイン」の探求


元々は、自動車や情報通信機器等ID系を中心とした企業(メーカー)における各種リサーチやデザイン評価を主軸としたデザインマネジメントが専門領域であり、商品開発・マーケティングとの連携を踏まえたところでそれらに関する調査研究プロジェクトや幅広い実践活動(コンサルティング等)を通してケーススタディ研究を行ってきた。近年では、ブランド確立に向けた「ストラテジック(戦略的)デザイン」の手法開発研究をベースとして、従来型デザインの高度化

および既存デザイン分野統合化の先端領域にある「創発型デザイン」について取り組んでおり、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの延長線上に「未来的デザインのあり方」を探求している。概ねその基本的な方向性としてはデザイン思考による「イノベーション」や異分野専門集団による「コンセプト・デザイニング」の方法論開発等が主軸となっており、それらのオープンリソース化を目指している。その他公表できる主な研究実績としては、下記のとおりである。

元々は、自動車や情報通信機器等ID系を中心とした企業(メーカー)における各種リサーチやデザイン評価を主軸としたデザインマネジメントが専門領域であり、商品開発・マーケティングとの連携を踏まえたところでそれらに関する調査研究プロジェクトや幅広い実践活動(コンサルティング等)を通してケーススタディ研究を行ってきた。
近年では、ブランド確立に向けた「ストラテジック(戦略的)デザイン」の手法開発研究をベースとして、従来型デザインの高度化および既存デザイン分野統合化の先端領域にある「創発型デザイン」について取り組んでおり、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの延長線上に「未来的デザインのあり方」を探求している。
概ねその基本的な方向性としてはデザイン思考による「イノベーション」や異分野専門集団による「コンセプト・デザイニング」の方法論開発等が主軸となっており、それらのオープンリソース化を目指している。
その他公表できる主な研究実績としては、下記のとおりである。

著書・論文等


『デザイン事典』朝倉書店(デザイン学会編集)
2003年(共著)
『デザインセクションに見る創造的マネージメントの要諦』
海文堂出版、2005年(共著)
「戦略的デザインマネジメントに求められる感性と論理性」
感性工学Vol.7-No2、2008年

(公的)調査研究


「人に優しいものづくりに関する調査研究」
経済産業省、2003年3月
「戦略的デザイン政策の在り方に関する調査研究」
(財)機械振興協会経済研究所、2003年3月
「ブランド確立のためのデザイン活用評価指標に関する調査研究」
(財)産業研究所、2004年3月
「中国デザインビジネス事情(北京・青島・天津編)調査研究」
(財)国際デザイン交流協会、2005年3月

講演


「LOHASとデザインマネジメント」(財)国際デザイン交流協会、2007年
「デザインマネジメント—異能・創発型の戦略的ネットワークとImaging」(財)国際デザイン交流協会、2008年
「Gマーク制度の歴史と日本デザインの秘密—デザインマネジメントの新たな方向」(財)海外技術者研修協会、2009年
「企業戦略とデザインマネジメント」(財)海外技術者研修協会、2009年
「プロダクトデザインと商品開発」(財)海外技術者研修協会、2010年
「デザインマネジメント体制の構築」(財)海外産業人材育成協会、2012年

「創発型デザイナー」の育成と教育


時代の要請に応じたデザインの今日的課題解決や新たなデザイン領域をカバーするためには、(単なるデザイナーではなく)複数の専門性を持った「新しいデザインの担い手」を育成する必要がある。その基本ポリシーのもとに、従来デザイン分野の高度な自律化とともに異分野領域とのハイブリッドな相乗効果を引き出す「創発型デザイン」にアプローチすべく、芸術(デザイン)・工学(技術)・経営(マネジメント)の世界を横断化したところでの教育活動そのものについて研究・実践している。 具体的には、芸術(デザイン)系を代表する本学では経営(マネジメント)への連携強化の一環として「マーケティング論」を、他大学の経営(マネジメント)系の学生には「産業デザイン(論)」を、工学(技術系)の学生には「デザイン情報学(概論)」を授業として実施してきた。

つまり、社会科学やエンジニアリングにおける専門領域とデザイン教育をブリッジ(相互乗り入れ)することによって、デザイン教育自体のイノベーションを多角的に推進しながら「新しいデザイナー像」を追及しようという実験的試みを積み重ねてきたわけである。
また、近年躍進の著しいアジアのデザイン動向・教育の実態把握もさることながら、日本の企業(メーカー)にとってグローバル化対応の戦略的デザインマネジメントが喫緊の課題となっており、大学での教育方法のあり方もそれらに応じた高度なデザイン教育へシフトしていく必要があるだろう。デザイン教育の場が一般大学も含めて増加し多様化する中で、美大の役割の再定義が迫られていることを認識しつつ、美大のアイデンティティを発揮しうる革新的なデザイン教育の推進・実践に繋げて行きたい。

時代の要請に応じたデザインの今日的課題解決や新たなデザイン領域をカバーするためには、(単なるデザイナーではなく)複数の専門性を持った「新しいデザインの担い手」を育成する必要がある。その基本ポリシーのもとに、従来デザイン分野の高度な自律化とともに異分野領域とのハイブリッドな相乗効果を引き出す「創発型デザイン」にアプローチすべく、芸術(デザイン)・工学(技術)・経営(マネジメント)の世界を横断化したところでの教育活動そのものについて研究・実践している。
具体的には、芸術(デザイン)系を代表する本学では経営(マネジメント)への連携強化の一環として「マーケティング論」を、他大学の経営(マネジメント)系の学生には「産業デザイン(論)」を、工学(技術系)の学生には「デザイン情報学(概論)」を授業として実施してきた。つまり、社会科学やエンジニアリングにおける専門領域とデザイン教育をブリッジ(相互乗り入れ)することによって、デザイン教育自体のイノベーションを多角的に推進しながら「新しいデザイナー像」を追及しようという実験的試みを積み重ねてきたわけである。
また、近年躍進の著しいアジアのデザイン動向・教育の実態把握もさることながら、日本の企業(メーカー)にとってグローバル化対応の戦略的デザインマネジメントが喫緊の課題となっており、大学での教育方法のあり方もそれらに応じた高度なデザイン教育へシフトしていく必要があるだろう。デザイン教育の場が一般大学も含めて増加し多様化する中で、美大の役割の再定義が迫られていることを認識しつつ、美大のアイデンティティを発揮しうる革新的なデザイン教育の推進・実践に繋げて行きたい。

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2012年10月に東京ミッドタウン・デザインハブで開催し好評を博した
「ムサビのデザイン~武蔵野美術大学のデザインコレクションと教育」展