高山 穣Takayama Joe

Takayama Joe

役職
准教授
専攻分野
コンピュータグラフィックス

'03年本学デザイン情報学科卒業後、九州芸術工科大学大学院へ進学し'04年博士前期課程修了(短期修了)、'07年九州大学大学院博士後期課程修了、博士(芸術工学)の学位取得。同年よりテキサス大学ダラス校アート&テクノロジー学科客員研究員として米国滞在。'09年に帰国後、九州大学学術研究員、九州産業大学芸術学部講師を経て'14年本学着任。

手続記述型CGによる造形表現

コンピュータグラフィックス(以下CG)の研究は主に1960年代に始まったが、そこから半世紀以上を経た現在、CGの表現力は飛躍的に高まった。しかし、あらゆる諸相が極めて写実的にCGとして表現できるようなった現在においても、なおも未開拓の領域が存在しており、特に手続記述(Procedural)によるCG表現の可能性は未知数であると考える。

手続記述とは、表現したい対象物の生成規則をプログラミング言語や数式を用いて論理的に表現(アルゴリズム化)するものであり、一般的なCG制作ツールであるソフトウェアやデジタイザ、モーションキャプチャシステムを使用する明示的な表現技法とはその発想が大きく異なっている。手続型のCG表現はこれまで自然物や自然現象に用いられることが多かったが、近年では人工物への応用例も多く見られるようになった。しかし、未だ人間の感性に基づく造形美術の世界を手続化することは困難を極め、その研究の成功例も数少ない。

このような状況の中、日本のCG黎明期に重要な役割を果たし、私の恩師でもあった元デザイン情報学科教授の故・大平智弘は私に「美は論理で記述できるかどうか、手続型CGを通じて追及しなさい。」と語っており、それが私の生涯の研究テーマともなっている。人間の感性に基づく美意識をアルゴリズムとして外在化することは手続型CGにおける究極のテーマであり、その実現にはあらゆる分野を横断する研究が必要であると予測される。私はこのような課題に対して様々な側面から学際的アプローチで取り組んでいる。

Splendor

CG映像 2018年


Orb

CG映像 2009年

Microcosm

CG映像 2004年

Solar Wind

CG映像 2003年


科研費研究プロジェクト事例:古典的装飾文様の手続的表現に関する研究

芸術家自身の感性に基づいた作品制作が多いファインアートとは異なり、装飾美術は文化・歴史・宗教など様々な背景に基づき社会的に発展してきたものが多い。古典的な装飾様式には数理的なルールが明確であるものも多く、そのルールをアルゴリズムとして実装することで手続的なCGとして表現できる可能性が高い。このような観点から、本プロジェクトではいくつかの装飾様式を数理化することを目的としている。

代表的な例としてはゴシック様式のトレーサリーに着目し、ゴシック様式特有の尖塔アーチに展開される装飾を自動生成させるアルゴリズムを開発した。また、近年では切子や組子といった日本の伝統工芸の手続化にも取り組んでいる。本研究は、近代以降において合理化を一つの要因として排除されることの多かった装飾が、今日の技術によって容易に大量生産できる可能性を秘めていると考えており、設計・生産という観点も考慮に入れた研究を進めている。

手続的に生成されたゴシック様式のトレーサリー


競争的資金の獲得状況

  1. 科研費「手続記述法による古典的装飾文様のCG表現に関する研究」

    課題番号22700105、若手研究(B)、2010年度~2011年度

  2. 科研費「デジタルファブリケーションを応用した古典的装飾文様の手続的生成と出力に関する研究」

    課題番号24700106、若手研究(B)、2012年度~2013年度

  3. 科研費「手続型モデリングと3Dプリンタを併用した装飾部材の設計支援とその応用に関する研究」

    課題番号26350030、基盤研究(C)、2014年度~2016年度

  4. 科研費「日本の伝統装飾のアルゴリズム化とデジタル造形技術の併用による設計支援とその展開」

    課題番号17K00733、基盤研究(C)、2017年度~2019年度(予定)

産業財産権(特許)

  1. [米国特許]Joe Takayama, “Metaball drawing system, metaball drawing method, and memory medium storing metaball drawing program”, The U.S. Patent number: 7605811, 2009.

  2. [国内特許] 高山穣「描画方法及びその装置」特許第4585298号、2010年。

主な学術論文・国際会議(全て査読あり)

  1. Joe Takayama, Tomohiro Ohira, Etsuo Genda, “A Study on Generating Animation using Markov Chain”, International Journal of Asia Digital Art and Design vol.2, pp.55-60, 2005.

  2. Joe Takayama, Etsuo Genda, “Artworks Using Metaball Representation with Stepwise Approach”, SIGGRAPH2005 Sketches, SIGGRAPH2005 Full Conference DVD-ROM, 2005.

  3. Joe Takayama, Etsuo Genda, “Procedural Image Generation Using Peristaltic Movement”, International Journal of Asia Digital Art and Design vol.5, pp.57-62, 2006.

  4. Joe Takayama, “Procedural Generation of Ornate Medallions by using Metaballs”, International Journal of Asia Digital Art and Design vol.14, pp.25-30, 2011.

  5. Joe Takayama, “Computer-generated Gothic Tracery with a Motif-oriented Approach”, IASDR2013 Proceedings, 2013.

  6. Joe Takayama, “Medallions: 3D-printed Wall Plaques Featuring Procedurally-generated Ornate Shapes”, International Journal of Asia Digital Art and Design vol.20 no.4, pp.97-102, 2017.

招待講演

  1. Joe Takayama, “A Procedural Approach for Designing 3D-Printed Ornaments”, NICOGRAPH International 2015, Tokyo City University, 2015.

  2. Joe Takayama, “Algorithmic Ornamentation”, Shooting Stars Session, 2018 International Conference for ADADA+CUMULUS, National Cheng Kung University, 2018.

学会賞

  1. Best Art Paper, ADADA 2016 (The 16th International Conference of Asia Digital Art and Design), 2016.

  2. ADADA Japan 2017研究奨励賞、第4回 ADADA Japan 学術大会、2017.

  3. Best Technical Paper, 2018 International Conference for ADADA+CUMULUS, 2018.