もう戻ることの出来ない過去に想いを馳せることは寂しさや切なさを伴うが、決して後ろ向きな感情で完結するものではない。連続性の中に自分の存在を見出したり、人生の意味を考えるよう促したりと、ノスタルジアは未来を生きるための前向きな機能を持っている。香りのタイムカプセル""time""は、ニオイと記憶と感情、これらの深い結びつきを用いた記憶の新しい保存方法である。ニオイが過去の記憶を覚醒させる現象を利用して、未来の自分にノスタルジアを喚起させるための手立てを考案する。